発明提案書について(その6)

 

 「特許申請やってみる」では、特許明細書を発明者や知財担当者が自作する(企業で内製化する)ことを支援するための情報を提供しています。

 今日は、発明提案書(修正編)について詳しくお話します。

 

 従来技術の問題点がいくつか挙がってきました。

 これらを解決する方法として

 

 カーナビ本体と、充電部分(保持部)とを分ける。

→本体を大きくせずに済む

 

 車両のアクセサリ電源のオンオフ状態を検知して、無線で検知結果をカーナビに知らせる。

→車両のバッテリーと配線しなくても、エンジンのオンオフに連動させることが出来る。

 

 車速信号も無線でカーナビに知らせる

→配線なしで、車速信号を得、自車位置特定精度が上がる。

 

 二次電池を、カーナビ本体と、保持部の両方に持たせる。

→カーナビ本体は小容量、保持部は大容量の使い分け(カーナビ本体の軽量化)

 

 保持部の二次電池の冷却装置

→ダッシュボードから動かない二次電池の冷却

 

 凹凸部でカーナビ本体と、保持部との電気結合(磁気結合)

→埃の進入防止、非接触化

 

 これらをまとめて、発明提案書修正版を作成しました。

発明提案書修正案


発明提案書について(その5)

 

 「特許申請やってみる」では、特許明細書を発明者や知財担当者が自作する(企業で内製化する)ことを支援するための情報を提供しています。

 今日は、発明提案書(アイデア練り直し)について詳しくお話します。

 

 COMTECのカタログを眺め、公報テキスト検索でヒットした15件の特許文献を眺め、発明を練り直しました。

 

 みなさんならどう考えますか?

 

 私は、いくつか問題点を見つけました。

 カーナビ本体の上面に太陽電池の受光部を搭載すると、奥行きが長くなる(本体が大きくなる)。

 COMTECさんには失礼ながら、奥行きが長いと余り格好良く見えない(個人差があるでしょうが)。

 それに、カーナビ本体を取り外したら、太陽電池の部分も取り外されることになり、充電する時間が減る(昼間、ダッシュボード上に置いたままにした方が、充電しやすいが、カーナビが見えると盗難の恐れがある)。

 実際に太陽電池だけで駆動は出来ておらず、車両のバッテリーからの電力供給も受けている(夜消えたらクレームになりますからね)。

 車両のバッテリーからの電力供給を受けるのであれば、配線の簡素化という目的が達成出来ない。

 では、車両のバッテリーからの電力供給を受けないのであれば、エンジンのオンオフに連動させることが出来なくなる。

 また、配線せずに、車両ECUからの車速信号線を受ける方法は無いだろうか?

 

 これらを解決したらいいんじゃないかと考えました。


発明提案書について(その4)

 

 「特許申請やってみる」では、特許明細書を発明者や知財担当者が自作する(企業で内製化する)ことを支援するための情報を提供しています。

 今日は、発明提案書(先行技術文献調査、特許調査)について詳しくお話します。

 

 普通、考えついた発明が世の中で既に売られているなんてことは余りないでしょう。

 私は相当にお馬鹿さんで、自分の能力を過信していました。

 

 普通、特許出願の前にやらなきゃいけないのは、似たような発明を含む特許文献を探すことです。

 専用のソフトウエアを使って正確に検索する方法もありますが、ここでは、簡単に調べる方法を説明します(それでも結構精度良く見つかりますよ)。

 特許電子図書館にアクセスし、検索メニューの中から、特許・実用新案検索→公報テキスト検索を選択します。

 検索項目で、要約+請求の範囲を選択し、検索キーワードを入れます。

 ここでは、“太陽電池”と、“ナビゲーション”と入れてみましょう。


公報テキスト検索

 15件ヒットしました。


公報テキスト検索結果

公報テキスト検索結果一覧

 なお、この検索は、ブログの説明用に、
2009316日に行われたものであり、20086月ごろに検索した結果とは若干異なります。


検索結果一例
 

 文献を一つずつ見ていくと、キーワードが赤字で目立つように書かれていますし、右に図面も表示されていますから、大体の発明の内容が分かります。

 とにかく、太陽電池でカーナビを駆動するなんてことは、公知技術やということが分かりました。

 内心、そらそうやろうなぁ!誰も特許出願してなかったら阿呆やでぇと、日本人の技術力がまだまだ捨てたモノではないと前向きに考えましょう。

 

 なお、本当は、もう少し細かく検索しないといけません。

 “太陽電池”を“太陽光発電”と書かれた文献もあるでしょうし、車載機器はカーナビ(ナビゲーション)に限られる訳ではありません。

 ヒットした15件以外にも、関連する特許出願はありそうですね。

 ただ、公開された特許文献を沢山調べ上げることではなく、新しい特許性になるネタを考える方が重要なので、私はこの辺で止めておきました。

 というのは、この時点くらいから、特許でひともうけすることよりも、特許申請(特許出願)の過程をみなさんにお知らせすることの方が重要な目的になってきたからです。

 みなさんに特許出願の過程を公開するのですから、完璧な特許明細書を書き上げて、拒絶理由通知を受けずに特許になってしまうよりも、拒絶理由通知を受けてその時の対応も含めてみなさんにお見せできた方が面白いと思ったのです(ちょっと言い訳っぽい)。

発明提案書について(その3)

 

 「特許申請やってみる」では、特許明細書を発明者や知財担当者が自作する(企業で内製化する)ことを支援するための情報を提供しています。

 今日は、発明提案書(発明提案書一次案から、発明に似た商品を見つけるまで)について詳しくお話します。

 

 発明を考案した時点では、発明者は、大変幸せな気分になれます。

 こんなことを思いつくのは私しかいない、私は天才だ、これを商品化したら、ヒット間違いない、大金持ちになっちゃったらどうしようかと、のぼせ上がり、夢が膨らみます(私も特許出願でひと儲けをたくらんでいました)。

 でも、世の中そんなに甘くありません。

 ここは冷静になり、客観的に発明を評価する必要があります。

 私は、特許で大もうけ出来るのでしょうか?

 

 答えは、Noでした(少なくともこの時点では)。

 

 まさか、太陽電池で動くカーナビなんて売られていないだろうと思っていましたが、念のため、近くのカー用品店を覗いてみたら、太陽電池で動くカーナビがありました。

 COMTEC製のものでした。

 

 弁理士の仕事で、お客さんが考えた発明と全く同じ内容で既に出願された特許明細書を見つけ、お客さんに見せた時に、ものすごくがっかりされるのですが、その気持ちがよーく分かりました。

 なんや、オレの考えたアイデアなんてこの程度のもんかいな。と。

 

 二日ほど落ち込みましたが、ここからが本当の仕事です。

 もう一度、冷静になって、従来技術の整理する必要があります。


発明提案書について(その2)

 「特許申請やってみる」では、特許明細書を発明者や知財担当者が自作する(企業で内製化する)ことを支援するための情報を提供しています。

 今日は、発明提案書(具体的な発明提案書例)について詳しくお話します。

 例えば、僕が考えた発明では、以下のように考えました。

 当たり前の事ですが、この発明は私自身が考えついたものであって、他人(特にクライアント)の考えたもの流用は全くしていません。

 後で知ることになりますが、この内容では、先行技術文献も存在しますし、既に商品が売られていました。

 従って、特許されることは無いでしょうが、思いついたことを一度整理することが重要です。

 先行技術が見つかったのであれば、改良して更に良い物を考えれば良いのです。

 従って、ここでは、最初はこんなことを考えていたんだなぁということを知っておいてください。

 従来技術も、問題点も、出願時の内容は大きく変わっていきますから。

 

 私の考案した発明の当初の発明提案書

 従来技術:カーナビゲーションシステムの電気配線は、バッテリーから引っ張ってきたBATT線(アクセサリスイッチ非連動)、及びACC線(アクセサリスイッチ連動)と、接地を行う必要がある。または、シガーライターソケットと、専用のコネクタを介して接続するモノが考えられる。

 

 従来技術の問題点:バッテリーからの配線は簡単でなく、ある程度の取り付け知識が必要。シガーライターソケット接続は、簡単だが、カーナビ本体までの配線がむき出しになる。

 

 問題点を解決するためにしたこと:太陽光発電をカーナビ本体に内蔵する。

 

 効果:バッテリーやシガーライターソケットからの配線が不要になるため、工事が簡単で且つ、配線も見えない。カーナビを配置するダッシュボード上は、太陽光を受けられる位置にあり、日中は常時電力供給が可能。

 

 これが私の発明提案書です。

 

 発明提案書一次案

 

 なんやそれだけかい?と思われる方も居るでしょうが、当初考えた発明は、“カーナビ本体に太陽光発電装置を内蔵させること”だけだったのです。


発明提案書について(その1)

 

 「特許申請やってみる」では、特許明細書を発明者や知財担当者が自作する(企業で内製化する)ことを支援するための情報を提供しています。

 今日は、発明提案書(一般論)について詳しくお話します。

 発明提案書は、特許庁に提出するものではありません。

 発明者が考えたアイデアを自分自身が整理するため、若しくは、発明者が考えたアイデアを、知的財産部の担当者、あるいは弁理士など第三者に説明するために使用します。

 将来、米国に特許申請(特許出願)する可能性がある場合には、発明した日を特定するために使用出来る可能性があるので、日付もしっかりと記入しておきましょう(もっとも、第三者のサインなど証明も大変なので証拠書類として使えるかどうかは分かりませんが)。

 ここでは、米国での係争を考慮するというよりも、特許明細書を作成するための準備書類として説明します。

 

 発明提案書に、決まったフォーマットはありませんが、最低限、下記の4点を明確にしましょう。

 従来技術

 従来技術の問題点

 従来技術の問題点を解決するためにしたこと(発明のポイント)

 本発明の効果

 
発明提案書フォーマット


 この時点では、内容が完璧である必要はありません。最初は先行技術文献を調査する必要もありません。

 自分の知りうる限りの情報から、従来技術や、従来技術の問題点を客観的に整理します。

 従来技術の問題点を解決するためにしたことや、本発明の効果は、権利範囲になりうる所で、将来的に大変重要になりますが、発明提案書を作成する際にはあまり難しく考えず、とにかく問題点を解決するために必要と思われるモノ、その必要なモノを揃えるとどんな効果が得られるのかを挙げてみましょう。

 実は、この後の先行技術文献調査(特許調査)の結果により、これらの内容は大幅に変更になる可能性があります。

 少し発明の幅を広げたり、狭めたりするだけで、発明の目的は変わってきますし、これに伴い、従来技術や従来技術の問題点も変わってきます。

 従来技術や、従来技術の問題点を盛りだくさん書かれる方が多いのですが、余り盛りだくさん書く必要はありません(特に外国の特許文献に多いです)。

 弁理士が書いた特許明細書でも、従来技術を盛りだくさん書いているモノがありますが、権利範囲に関係しませんし、本当は従来技術ではなく、社内の技術者の間でだけ知られていたことであったにも関わらず、従来技術であると認めてしまったがために進歩性が否定されてしまうことも有ります。

 だから、米国の特許出願では、従来技術や従来技術の問題点を全く書かないモノもあります。

 日本では、従来技術を全く書かない訳にはいきませんが、ごく簡単に書くだけで結構です。

 それよりも、その問題点を解決するために、どんな構成を考え出したのか、それによってどんな効果がもたらされるのかをしっかりと書くことを心がけてください。


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