先行技術文献調査(特許調査)について(その8)

 

 「特許申請やってみる」では、私の弁理士経験をもとに、特許明細書を発明者や知財担当者が自作する(企業で内製化する)ことを支援するための情報を提供しています。

 

 自分が考案した発明と、見つけた特許文献との差異を明らかに出来る修正が出来ない場合(進歩性や新規性が見いだせない場合)には、2つの方法があります。

 1つは、残念ながら特許申請(特許出願)をあきらめることです。

 この場合は、特許出願にかかる費用がナニもかかりませんが、ナニも実績も残りません。

 ただし、特許調査したことによる経験だけは残りますから、決して無駄骨だったという訳ではありません。

 決して珍しいことでは無く、このような判断が必要な場合もあります。

 

 もう1つは、特許にはならないこと(拒絶されること)を覚悟の上で、特許出願することです。

 特許出願することにより、出願から1年半後に公開されて、第三者の権利化を確実に阻止出来るので、特許にはならないものの、第三者の権利化を阻止する目的で特許申請(特許出願)だけやっておく戦略もあるからです。

 

 ただ、出願すべきかどうかは判断の迷う所かもしれません。

 

 また、特許文献と似ているかどうかも分からないこともあるでしょうし、判断が正しかったかどうか迷うこともあるでしょう。

 

 そんな時は、

 

 

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先行技術文献調査(特許調査)について(その7)

 

 「特許申請やってみる」では、私の弁理士経験をもとに、特許明細書を発明者や知財担当者が自作する(企業で内製化する)ことを支援するための情報を提供しています。

 これまでに、特許出願前に行う先行技術文献調査(特許調査、サーチ)のコツについて説明してきました。

 特許調査の結果に基づいて、先行技術文献との差異が出せるように、すなわち審査で新規性や進歩性が認められるように、発明提案書をリバイズ(修正)していきます。

 何度も特許調査と発明提案書の修正を繰り返せば、特許性の高い特許明細書(新規性や進歩性が認められる可能性が高い特許明細書)が作れるかも知れませんが、キリがないので、最低一回は特許調査と発明提案書の修正を行いましょう。

 勿論、似たような特許文献が見つからず、修正が不要な場合もありますし、似たような特許文献との差異を見いだせるような修正が出来ない場合もあります。


先行技術文献調査(特許調査)について(その6)

 

 先行技術文献調査では、特許電子図書館の画面を開いたり、その中で見つけた特許文献をPDFファイルで開いたりと、複数の画面表示をすることが多くなります。

 後日、お話する特許明細書作成時も、特許明細書用のワードと、図面用のパワーポイントとを同時に開いておくと便利なことが多いです。

 このため、ノートパソコン+外部モニターの組み合わせで、2画面を同時に表示出来る環境を整えておくと作業がはかどります。

 私は、Panasonic社のLet’s note R7と、BUFFALO製外部モニターを使っています。

 

特許調査時の2画面


明細書作成時の2画面 



 大抵のパソコンで出来ると思うのですが、

 もし、2画面表示のやり方が分からない方は。。。

 

 

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先行技術文献調査(特許調査)について(その5)

 

 今日は、特許文献の読み方、すなわち沢山の中から自分が考案した発明と似たような特許文献を探し出すコツの具体例について説明します。

 私の場合は、当初考えた発明は、“カーナビ本体に太陽光発電装置を内蔵させること”ですから、カーナビに太陽電池が付いている文献が1つでも有れば新規性・進歩性無しになります。

 

 例えば、特開平10-103999号公報は、まさに太陽電池が付いたカーナビを図示しているのがあるため、私が考案した発明を含んでいます。

特開平10-103999最初の画面 

 

 そのため、【発明の詳細な説明】の従来技術に書かれている特開平4-238218号公報をチェックしておきます。


特開平10-103999の詳細な説明
 
 

 また、“経過情報”欄をクリックし、出願情報の引用調査データ記事に記載された引用文献番号(特開平7-253327号公報など)をチェックします。

 特開平10-103999の経過情報の引用文献

 

 チェックした文献番号(公開番号)は、特許実用新案公報DBのページで検索します。

 公報DB入力画面


公報DB検索結果

 

 これらを読むと、“カーナビ本体に太陽光発電装置を内蔵させること”程度のことは、既に従来技術として確立された公知技術であり、今更特許申請(特許出願)しても特許性が無いことが分かります。


先行技術文献調査(特許調査)について(その4)

 

 今日は、特許文献の読み方、すなわち沢山の中から自分が考案した発明と似たような特許文献を探し出すコツについて説明します。

 検索キーワードを“太陽電池”と“ナビゲーション”で公報テキスト検索した場合には、15件の特許文献が挙げられました。


公報テキスト検索結果一覧

 15件程度だとまだましですが、数十件の特許文献を読みこなすのは大変です。

 それに、特許請求の範囲は、ちょっと難しい書き方をしているので理解しにくいかもしれません(要約書はまだましかな?)。


検索結果一例

 何件も読みながら慣れる必要がありますが、どうしても理解に苦しむ場合には、【発明の詳細な説明】の最初の方を読んでみるのも1つの方法です。

 【発明の詳細な説明】の最初の方には、従来技術と、従来技術の問題点と、その問題点を解決する方法が書かれています。

 つまり、この特許文献に書かれている発明を考案するに至った背景が書かれており、これを読めば、発明のコンセプトが何となく分かってきます。

 発明のコンセプトが似通っている場合には、似たような発明をしていることが多いのでじっくりと読むべき特許文献とします。

 

 そして、自分が考案した発明と似たような内容が書かれている特許文献は、【発明の詳細な説明】の従来技術に書かれている特許文献(つまり特許文献に書かれているさらに古い特許文献)の番号(特開****−******とか、特開平**−******と書かれた公開番号)を控えておきます。

 これも、自分が考案した発明と似たような内容が書かれている可能性が高いからです。

 また、“経過情報”欄をクリックし、出願情報の引用調査データ記事に記載された引用文献番号を控えておきます。

 これも、自分が考案した発明と似たような内容が書かれている可能性が高いからです。

 控えておいた公開番号は、特許・実用新案公報DBのページで検索します。

 

 これらは、一般論で話しても分かりにくいので、明日の記事で、私が考案した発明の場合に当てはめた実例で説明します。


先行技術文献調査(特許調査)について(その3)

 

 特許電子図書館にアクセスし、検索メニューの中から、特許・実用新案検索→公報テキスト検索を選択して、検索をしてみましょう。

 検索項目で、要約+請求の範囲を選択し、検索キーワードを入れます。

 検索キーワードとしては、“太陽電池”と、“カーナビ”を入れてみます。

 2件ヒットしました。

 

2件ヒット

 

 ヒット件数が少ない場合に、やったぁ特許性があるぞぉと喜んではいけません。

 検索キーワードが適切でない場合があるからです。

 今回2件したヒットしませんでしたが、とりあえず、一覧表示を押して、それぞれの文献の中身をチェックします。

 

 2件の一覧表示

 

 いずれの文献も、“カーナビ”ではなく、“カーナビゲーション装置”と書かれていますから、検索キーワードとして、“カーナビ”よりも、“ナビ”とか、“ナビゲーション”の方が適当だったかもしれないと考えます。

 

 次に、検索キーワードを、“太陽電池”と、“ナビゲーション”にして再度検索します。

 15件ヒットしました。

 

公報テキスト検索結果

 

 “太陽電池”にしても、同様で、“ソーラー”とか、“太陽光発電”とか、似たような意味を持つ単語に変えて検索をしてみます。

 

 ヒットした特許文献を1つずつ読んでいきます。

 といっても、特許明細書の全文を見る必要はなく、要約書と、特許請求の範囲と、図面を見れば、発明の概要が分かりますし、自分の考案した発明と関係がありそうかどうかの見当が付くはずです。

 (まれに、要約書には載って無くて、詳細な説明にちょろっと掲載されていることもあるのですが)


先行技術文献調査(特許調査)について(その2)

 

 特許出願前に行う先行技術文献調査(特許調査、サーチ)を発明者(技術者)や知財担当者が自力で行うべきだと言いましたが、特許庁の審査官や調査会社が行うレベルの特許調査が出来るのでしょうか?

 餅は餅屋のことわざ通り、特許庁の審査官や調査会社のサーチ能力にかなわない部分があるかとは思いますが、私は、経験を積むことにより、かなり精度良く調査出来るのではないかと思います。

 特に、発明者(技術者)や知財部担当者は、その技術分野のプロで、元々その技術分野の知識がありますから、検索ソフトの使い方と、特許文献の読み方さえ掴めばそんなに難しい作業ではないと思います。

 

 では、素人レベルで、どこまで特許調査すればいいのでしょうか?

 これには色んなご意見があるのと思うのですが、数年間、特許明細書を作成し続けてきた私(弁理士)の個人的見解としては、テキスト検索だけでかなり高い精度で適切な特許文献を探すことが出来ると思っています。

 

 複数のキーワードを組み合わせた検索式、Fタームとか、IPCといった特許分類の検索も有効ですが、ちょっとした知識が必要です。

 それに、特許庁が行う特許分類が必ずしも正しいという訳ではないので、特許分類だけに頼るのは危険です。

 私は、特許庁の審査官が実際に使っている検索ソフトを使った特許調査の研修を受けたことがあるのですが、ある発明に関連する特許文献を見つけるという課題の時に、入力ミスか解釈ミスかは分かりませんが、間違った特許分類がされているために特許分類を使った検索でヒットしなかった文献があることを見つけたことがあります。

 特許分類や検索式を使いこなせば、効率良く適当な特許文献を見つけることが可能ですが、数さえこなせば、テキスト検索でも同じ特許文献を見つけることが可能です。

 

 また、専用のソフトウエアを使って正確に検索する方法もありますが、特許電子図書館公報テキスト検索で十分に見つけられると思います。


先行技術文献調査(特許調査)について(その1)

 

 「特許申請やってみる」では、特許明細書を発明者や知財担当者が自作する(企業で内製化する)ことを支援するための情報を提供しています。

 今日は、特許出願前に行う先行技術文献調査(特許調査、サーチ)について詳しくお話します。

 

 発明提案書(その4)でも触れましたが、発明提案書が出来たら、特許明細書を作成する前に、先行技術文献調査を行って、自分が考案した発明と似たような発明を含む特許文献を探す必要があります。

 全く調査をしないで出願してもいいのですが、似たような特許文献が存在しない完璧な発明はなかなかありません。

 それに、そんな完璧な発明であれば、なおさら、周辺の技術文献を知っておいて、出来る限り広い概念を権利範囲(特許請求の範囲)に盛り込むべきだからです。

 

 専門の調査会社もあり、お金を払って彼らに依頼することも可能ですが、発明提案書が出来た時点では、発明の概要も決まっていませんから、調査会社に発明の意図を伝えるのも難しく、この時点では自力で調査する方がいいと思います。

 先行技術文献調査では、自分が考案した発明から、検索でヒットしやすいキーワードを抽出するのですが、これは経験しないとコツが掴めません。

 また、先行技術文献を読むことは、自分が考案した発明に関連する技術分野を知ることにもなりますし、特許明細書作成時の話の流れや適当な単語を知ることも出来ます。

 このため、先行技術文献調査を自分で行うことは、面倒ですが、非常に重要で、時間をかけてやる価値がある作業だと思います。


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